クラフトビールの副原料としてフルーツピューレやスパイスを用いることは、今や当たり前になっています。
使用するタイミングは醸造時であったり、発酵中であったり、発酵が完了したタイミングであることも多いでしょう。
では、ブルワーの皆様は副原料をどのような方法でビールに接触させているでしょうか?
当然のことですが、発酵が完了したビールへの副原料の使用は汚染・酸化の観点から細心の注意と準備を必要とします。
シナモンなど個体の副原料であればタンク内部のスプレーボールを使って吊るすことも可能ですが、液体の場合はどうでしょう?
タンク上部からドバドバと投入するのは一つの方法です。しかし"均一に混ぜる" "ビール酸化を防ぐ"といった観点ではベストとは言い切れません。
この記事では"液体"の副原料を安全に、タンクへ注入(インジェクション)する方法を解説します。
皆様のお役に立ててくれれば幸いです。
副原料のケグインジェクション
この方法では洗浄殺菌済みケグを使用します。
セットアップは以下の通り。

ここで、いくつか注意点があります。
ピューレを例にしたインジェクション方法


以上で工程は完了になります。
副原料がケグ1本に入りきらない際は工程1を全部のケグで行ってから工程2へ進みましょう。
この方法の良い点は、空状態のケグを使ってCO2パージをすることでケグ、ライン内を完全にCO2置換できることです。
ケグ内のCO2パージに不安のある場合は、ケグ内に殺菌水を入れ、殺菌水を全てCO2に置換するのも有効です。
また今回紹介した方法は、回収したイーストを別のタンクへ注入する場合にも使用可能です。
注入が完了した後は
ケグ内のピューレを注入し終えた後は、そのままケグ内のCO2をタンクに入れることでタンク内を混ぜることができます。
おわりに
ヘルールとクイック継手が一体になった部品Eは当店で取り扱っております。
コンタミレスの液体ガスケットで接続し、全て耐圧検査をして出荷しております。
副原料の注入以外にもドライホップ、パッケージング時など1つあるだけで幅広く利用できます。
また、今回ご紹介した方法は私が実際に現場で行っていた方法です。
これによってビールの酸化や品質に問題が生じたことはありませんが、
実践の際は自己責任でお願いいたします。また、圧力を使用するため安全には十分に配慮してください。
上記をお読みいただき、不明な点がある方はお気軽にお問い合わせページからご質問ください。
また、「うちではこういう風にやっているよ」といったご意見も募集しております。
★ この記事の作成者
新谷
私はクラフトビール醸造所で生じるトラブルに真摯に向き合い、現場目線の解決策をお客様に提供しています。 サニタリー継手の販売、充填技術支援、ステンレス品の加工など幅広く対応いたします。
これから醸造所を開業される際のご相談はもちろん、既存の設備でお困りの事がございましたら、お気軽にRHSにお問い合わせください。 機械設計と国内外のクラフトビールシーンを経験してきたスタッフが現場目線で解決いたします!
